クラウドファンディングで伊勢型紙の若手職人を応援しよう!
着物を着る時はもちろん、普段使いにも使いたい!
伊勢型紙・錐彫職人唯一の後継者である金子仁美さん(23歳)がこのほど、伊勢型紙を使ったアイテムを制作。
クラウドファンディングで発売を開始しました。
「伊勢型紙」は三重県鈴鹿市の伝統工芸であり、着物づくりに欠かせない存在です。
しかし、他の伝統工芸同様、後継者不足(教育費不足)などの理由から技術の継承が困難となってきています。
金子さんは「『遠い存在』『敷居が高い』といった印象を持たれがちな伝統工芸を知ってもらうきっかけを作りたい」として、伊勢型紙を使った新商品を考案。
サーモステンレスボトルをはじめ、小銭入れや名刺入れなど普段使いしやすいアイテムを揃えました。
<サーモステンレスボトル(御守りボトル)>
鮫小紋と鱗文様はそれぞれ『守る』という意味があります。
コロナ禍の今、こまめな水分補給で乾燥から身を守り、マイボトルを持ち歩くことでペットボトルの消費を減らし環境問題悪化から地球を守ろう、という思いを込めてデザインされています。
『鮫と鱗』
錐彫りで鮫小紋と鱗文様を葉っぱの形にあしらったサーモステンレスボトル。2色展開。
ブルーグリーン:鈴鹿市章のブルー、三重県旗とお茶のグリーンをイメージしたグラデーション。
ゴールドイエロー:「20から40代女性でも持ちやすく日常使いしやすい、伝統的工芸品が使用された製品」をイメージした配色。
『蝶の乱舞』
蝶々の紋様をピンクと薄紫色のグラデーションで表現。
蝶々の紋様は、『長寿・不死の象徴』とされておりさなぎから蝶へ変わり可憐に羽ばたく姿から『健やかな成長を願う』などの意味で吉祥文様としても用いられてきました。お祝いのギフトにおすすめです。
<クラウドファンディング概要>
実施期間:2022年4月21日(木) 12:00〜 5月31日(火)
公開後URL:https://camp-fire.jp/projects/574791
※伊勢型紙のことや金子さんの現状などが詳しく書かれています。読むだけでもぜひ!
支援は3000円~。
<金子さんからのメッセージ>
何事もインターネットで完結する便利になった時代、伝統工芸とは全く真逆の今、時代にそぐわないと思う人も少なくないでしょう。
しかし私は伊勢型紙という伝統的工芸品の認知を広めたい、敷居の高いイメージのある伝統工芸をもっと身近に感じてほしいと思っています。
なぜ伝統工芸なの?なぜ伊勢型紙なの?友人や恩師に尋ねられますが世界に誇る伝統工芸を絶やしてたまるか!という気持ちだけが私を動かしています。
このボトルが、伝統工芸や伊勢型紙を知るきっかけとなり、伊勢型紙のみならず他の産地の工芸品の認知につなげたいと思っています。
なにかに興味を持つためのきっかけは「かわいい」「おしゃれ」「プレゼントにいいかも」「どこかで名称だけ聞いたことがある…」という少しの揺らぎが大切だと思っています。
実際、小学・中学時代のわたしには「伝統=渋い」という印象しかありませんでした。
今この修業をしている姿など一切想像も付きませんでしたが、伝統に対する印象を変えたのは伊勢型紙でした。
このプロジェクトが皆様にとって、伝統工芸を身近に感じる入り口となることを望んでいます。
そして、いつかどこかで「伝統工芸」「伊勢型紙」の文字を目にしたときに「そういえば…」と思い出せるものにしたいと思っています。
今後も伝統技術の習得は勿論、伊勢型紙の活用・SNSでの発信に尽力いたします。ぜひ応援していただけますと幸いです。
<伊勢型紙とは>
友禅、ゆかた、小紋などの柄や文様を着物の生地を染めるのに用いるもので、千有余年の歴史を誇る伝統的工芸品(用具)。
和紙を加工した紙(型地紙)に彫刻刀で、きものの文様や図柄を丹念に彫り抜いたもので、型紙を作るには高度な技術が必要。
現代では着物はもちろん、新しい技術を用いて染色するため型紙の需要が減少。そのため型紙業者も減少している。
型を売る型商さんや彫る職人さんたちは新しい活用法を模索し、照明器具などへの応用や、建築建具に用いるなどの活用を図っている。
現在、伊勢型紙職人はおよそ20名ほどで平均年齢は70歳程度。
伊勢型紙には4つの技法があり、そのうち錐彫りの職人は金子氏の師匠である宮原敏明氏ひとりである。※人数・平均年齢は概算です
<錐彫について>
小紋を彫る技法では、鮫小紋、行儀、通し、アラレなどの種類がある。
刃先が半円形の彫刻刃を型地紙に垂直に立て、錐を回転させながら小さな孔を彫っていく。
1平方センチに100個ほどの穴が彫られた作品もあり、単調な柄だけに難しい技法とされている。